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発達障害児の留学という進路
ADHD多動児である息子は中学3年生から海外留学をしている。
残念なことに読み書きすら苦しい彼には学業面でのハンディキャップがあり、日本にいたところで進路問題で頭を悩ますであろう未来は既に見えていた。
英語に興味を持ったのは彼にとって唯一の救いだったのかもしれない。
海外で学びたいんだという希望を本人が強く持ってくれたことにより留学という道筋が出来たのだから。
行き先は東南アジア。
まずマレーシアで一年を過ごし、その後はフィリピン セブ島へ転校し二年目突入。
日本の様に何かに追いつめられるかのような意味不明なルーティンもない穏やかなお国柄は、発達障害児にはむいているのかもしれないとは感じた。
実際、息子のように何らかの生きづらさを抱える日本人留学生達に出会うこととなる。
まるで東南アジアが彼らのような子供が行きつく場所かのように。
IBカリキュラムと日本人ブランド威力
まずは不安要素を抱える日本人留学生でも躊躇なく受け入れてくれることに驚いた。
その理由として思い当たるのは、東南アジアでは日本をリスペクトしている節があるということ。
日本人ブランドは学校の受け入れをスムーズにする要素があると思った。
息子の様に学業面では何の実績もないような者でもIBカリキュラムのイギリス系スクールに簡単に入学が決まったのだから。
日本だと入学なんて叶わないハードルの高いカリキュラムの学校なのに。IBカリキュラム国際バカロレアとは
英会話が好きだった息子が面接で簡単な会話力を披露しただけで歓迎されたのだ。
そのせいもあり最初にマレーシアの学校への進学を決めさせた頃の私は、東南アジアの国々は日本よりも格下の国だと信じて疑わなかった。
入学は簡単でも卒業は簡単ではない
実際に現地入りした私は、東南アジアを格下に見ていた自分の考えは間違いなのだと知ることになる。
貧富の差や発展などが国内で極端な差があるというのが私達にそのような印象を持たせていたんだなとわかった。
そして分野によっては日本などを遥かに上回る進化や発展があることも知る。
あぁ完全に負けているそう思った瞬間がところどころ…
学校も信じられないくらい巨大で設備も整い、学習面でもしっかりとしたカリキュラム。
ようやく私達は甘えさせてもらえる環境が用意されている訳ではなかったと気づくことになる。
入るのは簡単、出るのは難しい
そうだった、海外の学校とはそういうものだった。
すっかりナメていた自分を恥じる。
東南アジアは生きづらい人には良い逃げ場所?
結論から言うと東南アジアは逃げてくる場所ではないということは伝えておきたい。
近場で気軽に環境を変えられるばかりか、低コストでの英語教育も実現するし…
例えばそのような安易な考えのみで飛び込んでくるならばリタイアへまっしぐらである。
商売の為に安易な留学を進める留学エージェントが当然いるわけで、
その上手い口車に乗せられ、留学をあまりにもカジュアルに始めてしまった者が集まっているように思えた。
そして私達もそのメンバーに入る。
そんな私たちが学んだのは、日本で上手くいかなかった、辛い思いをしたetc.そんなわだかまりを海外に丸投げしても何も解決はしないということ。
日本で引きこもりがちな子供は、海外でも寮に引きこもる。
日本で不登校だったならば、海外でも学校に行かないし。
そんな日本人留学生が冗談抜きで少数ではない。
海外で発達障害の診断書なんて何の効力もない、障害は言い訳に出来ない。
コミュニケーションを自分から頑張らない人は外国人にだって距離を置かれる。
ある意味、どんな環境でも自分で努力をしなければ放って置かれるという真理を思い知らされる良い環境であるとは思う。
だけどそれがわかったところで乗り越えられる子なら良いという話であって、乗り越えられない子は?失敗に終わるしかない。
留学開始まもなくしてリタイアする子は後を絶たないのは現実。
失敗したね残念、黒歴史~!!
だけなら良いけれど体調面に影響が出て病院へ運びこまれる場合もあるから(過呼吸など)慎重に。
留学成功の秘訣
子供の留学を成功させたいならば
何をやりたいか留学の目的が明確なことは絶対条件、それはどんなお子さんにも当てはまることだと思う。
そして生きづらさを抱えているならば問題要素は日本で解決してきたかどうか
これは明暗を分ける重要なポイントになると思う。
もしくは不安要素を抱えたお子さんの場合、思い切って親子留学に切り替えることをオススメしたい。
親御さんと共に環境を変えれば心のケアも親がやってあげられるという利点は大きい。
うちも息子一人で放り出したタイプの家庭だけど、うちの子の様に海外生活にのめり込み何年も元気に続けている例は非常に稀なのだということ。
我が家のパターンは
早くに親元を離れる可能性のある子として私は自分なりに旅立たせる準備は子育てに織り込んできたつもりでいる。
元々、そういうタイプ子だったこともあり、大丈夫だろうと確信できる子だから送り出した。
丸投げしたら何とかなるというキモチ一択での進路ではなかったということは断言したい。
留学を長続きさせる最大のポイント
そして東南アジアの発展具合は目覚ましいと言っても、やはり衛生面、細々とした生活環境のレベルは日本には及ばない点がある。
諸々、日本人には我慢の限界がわりとすぐに訪れるかもしれない。
だけど日本にはない素敵な部分もたっくさんある。
その点を上手く折り合いをつけることに成功した人のみが長期で暮らせるんだなぁという印象もある。
それが出来れば日本では得られない素晴らしいモノたちとの出会いが待っていることは間違いない。
ちなみに私自身は無理だと思う。